「野獣死すべし」
伝説になりつつある不世出のヒーロー松田優作の代表作に挙げるファンも多い作品。オレも松田
優作の中では一番ですね。優作フリークスで有名な爆笑問題の太田も「みんなすぐ『ブラック・レイン』
を挙げるけど、何と言っても『野獣死すべし』ですよ」と言ってます(笑)。
松田優作のキャリアの中で大きな
位置を占める「最も危険な遊戯」に始まる村川透監督とのハードボイルドシリーズは3本の
遊戯シリーズとそこからスケールアップした角川映画「蘇る金狼」と続くんだけど、大藪春彦の原作を異色
の解釈で、それまでの主人公とは全く違ったテイストの本作は一線を画していますね。
オレあんまし松田優作をカッコ良いと思ったことは無いんだけど、本作での狂気の演技は凄い惹き付
けられました。特に電車の中で室田出男の額に拳銃を突きつけて強制ロシアンルーレットをする件は圧
巻でしたね、いや〜目がイっちゃってますよ(笑)
それと共演(狂演?)の鹿賀丈史の狂暴なキレっぷりも助演男優賞モノでした。ここでの松田優作の演
技には俳優そのものの存在感が突出していると言う様な、フィクションを超えた哲学的で崇高な印象さえ感
じます。また透明感があって都会的な音楽も気持ち良かったですねぇ。