「YAKUZA−MAN」

thatre BAROQUE Vol.17(2004年6月12日東京芸術劇場小ホール2)

ここは「おちゃらけヤクザ物」をシリーズで連続公演しているらしい。下町のヤクザたちを主人公にし た踊りあり、歌ありのドタバタ劇が展開すると言う趣向。今回のお話は組の運営資金に事欠いたヤクザの若頭が 一計を案じて地元でY−1グランプリなる素人参加の格闘技大会を開催し、その優勝賞金100万円を自らが出 場させた選手に取らせてしまおうと言うもの。後半は舞台上に作られたリングで次々に展開する試合の模様が見 せ場になり、遺恨を賭けた闘いや飛び入りのヘンな選手が出たりして大騒ぎになる。タイトルのヤクザーマンと 言うのはこの街で夜になるとヘンな扮装をした不審者が通り魔的な犯行を繰り返しており、その扮装がヤクザの スタイルをモチーフにしているのでヤクザーマンと呼ばれていると言う訳。こいつはマスクを取ってみると気弱 な若者で、昔ヤクザに助けてもらった時にそのあまりのカッコ良さに憧れて、自分もヤクザになりたかったが、 自分は気が小さくてなれなかったので、その代わりにヤクザのコスチューム? を着て街を徘徊してたのだと言 う。そしてリング上で繰り広げられる試合の謎の出場者としてヤクザーマンが登場して活躍するか・・・と思い きや、やっぱり腰抜けでお茶を濁す(笑)んで結局最後は演出を兼ねる若頭がしゃしゃり出てロッキーさながら の奮闘で強敵を倒し、無事賞金の100万円を手にしてメデタシメデタシ・・・だったかな?(笑)既にあんま し内容も覚えてなかったり・・・つまり文字通り「ドタバタ」なのだ。ドタバタコメディってのはドタバタして いてもその中にちょっとホロリとさせられる人情があったり、物語全体のバックグラウンドから滲み出るテーマ があったりなら作品としてアリなのだけれど、コレはストーリーの構成もドタバタで、まるで行き当たりばった りで散漫ナノダ。おかしなヤクザのお兄さんたちのズッコケストーリーと言う楽しさは分かるのだけれど、その 中にも何か筋の通った、感慨みたいなモノが欲しかったな。



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