「止むに止まれず!」

プロデュースユニット 四方八方(ふぉーほーやっほー)第2回公演(2009年3月8日アイピット目白)

 一場モノのドタバタ喜劇でなかなか面白かったです。広島でお好み焼き屋を経営し ている一家の母屋が舞台で、東京に出た息子がフィアンセを連れて帰って来ると言うので待 っていると、現れたのは死んだお母さんにソックリな美女。てっきり彼女が息子のフィアンセ だと思っていると、実は彼女こそがニューハーフに転じた息子だったのだ!
 彼を息子のフィアンセと勘違いした一家が巻き起こす騒動が描かれるのだけれど、この状 況で考えられるあらん限りの勘違いが盛り込まれていて、そこまでやるか? と言うくらい風 呂敷を広げてしまう。それはもう観ている方がどう収集するのだろうと心配になるくらいやっち ゃってます(笑)。

 ただちょっと惜しいのは最後に相手がニューハーフだったと言うことを知ったフィアンセ(男 性)が割りとすんなり彼女が元男だったことを受け入れてしまうのと、フィアンセに息子(今は 娘)との結婚を許す許さないで親父が「俺と酒の飲み比べをして勝ったら許す」と言うのも何 だか唐突で何でも良い気がした。またその飲み比べで全く酒が飲めないと言うフィアンセの 為に周りの人が踊ったりして親父に見えない様にしながら皆で回し飲みしちゃうと言うのも何 だか結末をオチャラケで済ましてしまってるみたいで惜しい気がした。
 やっぱコレって人情喜劇の範疇に入る物だから、最後の決定的な軋轢の部分は何かこち らをホロリとさせる様なヒネリが欲しかったかなーと思いました。

 とは言えオイラはもう「一場モノじゃなきゃ演劇じゃない」くらいに思ってる人間なので、この 作品はとっても好感が持てて楽しかったです。全然知らなかったんだけど元々は3LDKって 言う有名な劇団の作品だったらしいですね。どうりで、と言う感じです。
 役者さんたちも皆さん個性を活かしてて良かったです。特に妹の瞳役の女子高生の制服 姿の子〜キャンキャン喋り倒しておきゃんと言うのか(最近そんな言葉使わねぇか)それで いて可愛らしくもありで今後の活躍が楽しみな感じでした。



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