「奴らを高く吊るせ!」
若い頃アメリカで売れず、イタリアに飛んで「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と言う
3本のマカロニ・ウェスタンシリーズに出て売れて、んでアメリカに戻ったくリント・イーストウッドが最初に出た映画
がコレだそうです。それまでのアメリカの西部劇はジョン・ウェインや「シェーン」等、開拓者魂に彩られた正義と希望
を象徴する様な内容だったのですが、このイーストウッドは陰惨残酷絶望のマカロニ・ウェスタンで育って来たので、こ
の作品も正義の為に悪を倒すと言うよりは、間違えて吊るし首にされそうになった男が、間違えて自分を吊るした男たち
を探し出して殺して行くと言う・・・多分にマカロニテイストな陰惨な内容になっています。それでもカウボーイ姿のイ
ーストウッドはカッコ良いんだけどね。マカロニでモジャモジャ生やしてた髭をさっぱり剃っちゃってるのも印象を変え
てますね。ストーリーもマカロニテイストとは言えやはりアメリカ映画、キチンと道理の通った勧善懲悪が貫かれていま
す。アメリカの西部劇が好きな人はマカロニを酷評して全く認めようとしない人いるけれど、そりゃ自由と希望に満ちた
開拓者魂も良いけれど、アレは言ってみればもともと住んでたインディアンを虐殺して侵略してるとも言える訳ですから、
まぁそんなこと考えてたら映画は楽しめないかもだけど、あんまりアメリカ西部劇ばかり擁護してマカロニを理解しない
と言うのもなんだかねぇ・・・オレに言わせればマカロニウエスタンは極上の快楽です。あのレオーネ節に酔いしれる気
持ちよさを解せないなんて、映画の味わい方を知らないとしか言い様がない。ちょと話がそれましたね(笑)そう言う意
味でこの作品はそれまでのアメリカ西部劇とは違った味わいの異色作なのです。