「欲望という名の電車」
この作品のマーロン・ブランドとビビアン・リーには昔のハリウッドの演技派スターの凄い
存在感がありますねぇ。
ブランドは後に 「ミズーリ・ブレイク」 辺りから怪演が始まって 「地獄の黙示録」 でのワ
ガママ〜 「D・N・A」 の奇怪演技〜「スコア」 でのヤル気なし芝居で、それまで凄い演
技派だと思ってたのがただのヘンなヤツだったことが露呈するのだが、まだ超若か
ったこの作品での暴力的でムチムチセックスアピールの野性的存在感には圧倒される。
しかしそれに輪をかけて凄まじいのがビビアン・リーだ! アメリカ映画史上のベストワ
ン映画「風と共に去りぬ」の堂々振り、観るたびに必ず泣ける「哀愁」の儚い美しさ、
それに対してこの作品の汚れ具合はどうだ!
見るのが痛々しくなって目をそむけてしまいたくなるくらい哀れになる! 一体この人が
本当にあのビビアン・リーなのか! と初めて見た時の衝撃は凄いものでした。
この頃のビビアンは本当に精神がおかしくなっていたんだとか、結局最後はひとり寂しく
亡くなったんだよね。
女優の人生って一体……と感慨に耽ってしまう。