「遊園地の思想」

新宿サニーサイドシアター(2005年10月11日新宿サニーサイドシアター)

新宿二丁目に持ち小屋がある実力派小劇団サニーサイドシアターさん。昨年9月の「授業」そして今年の3月 の「ピンクの象と五人の紳士」に続く別役実作品の第三弾! 別役作品には「五人の紳士シリーズ」と言うのがある らしいんだけど、今回のはタイトルに五人の・・とは付かないんだけど、コレもシリーズのうちに入るらしい。確か に内容も五人のタキシード姿の男たちが出元の分からない不審な小包を巡りシュールな珍騒動を繰り広げる展開だ。 しかして毎度ながらこの別役ワールドの不条理と言うか意味不明と言うか、受け付けない人は全く受け付けない系の 芝居と言えるかもしれませんね。オレも多分本だけ読んでもきっと何がなんだかサッパリ・・じゃないかと思う。 でもこの劇団の 様にしっかり台本の狙うテイストを汲み上げて舞台にしっかり再現して見せてくれると「ああ、こう言う面白さなん だ」と理解させてくれるのでありがたいんです。恐らく他の下手な演出・役者で見せられたら別役作品に酷い拒絶 反応を持つことになるのではないかな。今回5人の紳士に扮する勝又保幸さんを始めとする役者さんたちはそれぞれ に芸達者でキャラクターが立っていて、そのやり取り応酬がスリリングで可笑し味もあって飽きませんね。それにちょっと アンニュイな加藤久美さんが絡んでチャチャを入れたり、かき回したりで話が転がってくんだけど、結局何が言いた いのか、全てが何かを暗示している様な、でも実は全てが只の遊びの様な、不思議さが心地良いとでも言うんでしょ うか・・・。やはり別役実とかって有名だけど本を読んでも本当に狙っている面白さは分かりませんよね、唐十郎や 寺山修司もそうだけど、やっぱり舞台に具現化されて始めて光る本なので、そう言う意味ではここの様な劇団は希少で はないかと思います。次回は12月21〜去年の「蒲田行進曲」に続くつかこうへい「寝盗られ宗介」つか作品も 他の多くの劇団で上演されているけれども、サニーさんの「蒲田・・」は一番本元のつかテイストに近いモノ感じま したね、コレも期待大ですよ。



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