「座頭市」
近頃の若い方は座頭市というとビートたけしや綾瀬はるかになってしまう
のでしょうか、コレが本家本元の勝新太郎版! 最後の座頭市ですよ〜。
思えば懐かしい……確かコレ「ダイ・ハード」と同じ時期で、ハシゴして観た記憶が
あります。
日本映画の全盛期に大映で連作されていたのが途絶えてから16年振りの新作
(同時に最後の作品)ということで、勝新太郎自らの監督による気合が籠もっていま
した。
悪く言う方は「昔の名場面を継ぎはぎにした様だ」と言うけれど、良く言えば「往年
のシリーズにより作り上げられた座頭市の魅力を全て注ぎ込んだ」作りとも言える
のではないかな。
けど勝監督による独特な「自然演技?」を求める演出方法は時に台詞が聞き取れ
なかったり、展開がギクシャクしたりと戸惑うこところもあるのだけれど、こ〜の全編
に溢れる "面白さ" オーラに押し切られてしまいますねぇ。
確かにお話は途中で破綻していますけど、要所のアクションシーンのカット割りや、
なにより見事な立ち回りに見入ってしまいます。
近頃の半分CGに頼ってやたらカット割りが激しくて何やってんだか分からないア
クションとは違う、引き絵で撮った長回しで繰り広げられる殺陣の凄さを堪能出来
ますねぇ。昔のアクション映画はみんなこうでした。
脇役の演技の付け方も皆さん素晴らしく、緒方拳・陣内孝則・樋口加奈子・片岡
鶴太郎等等……中でも内田裕也! こ〜の芝居の "上手い下手" を超越した存
在感はどうだ! よくいう「怪演」とはどんなことを言うのか知りたい方は必見! コ
レが怪演です(笑)特に死に方最高!
コレを最後に観られなくなってしまった勝新座頭市、今となってはジョー山中の唄
うテーマソングが最後の座頭市賛歌の様に聴こえます。