「絶対X絶命」

 オレこの映画は大好きですね。ストーリーは刑事のアンディ・ガルシアの息子が不治の病で命が危ない。治すには世にも珍しいタイプの血液を輸血しなけりゃならないんだけど、この世でたったひとりの、その血液型の持ち主は最悪の凶悪犯で死刑を前に刑務所に入ってるマイケル・キートン!

 んで輸血を頼んでキートンを病院に運ぶんだけど、異常にIQの高いキートンはアッと驚く方法を使って途中まんまと逃げ出してしまう!

 んで警察はキートンを追うのだけれど、彼を殺してしまうと輸血が出来なくなってアンディの息子が助からなくなってしまう……と言う。普通に見れば警察官と言う立場と難病の息子を助けたい父親と言う立場の板ばさみに苦しむ主人公アンディの葛藤とヒロイズムなんだけど……。

 とにかくそんなこと全てブッ飛ぶくらいワルのマイケル・キートンが素晴らしいノダ! タイトルの絶対絶命とはアンディの息子でなく、厳重な警備から逃げ、大量の警察に追いまくられるキートンのことを指す様な気さえしてくる。

 どんな困難な状況に追い込まれても絶対に諦めない! 頭脳を駆使して凄いガッツで逃げまくるノダ!

 普通に見るとこの映画はあくまでアンディと息子の話なハズなんだけれど、気が付くともう夢中になってキートンを応援している。監督の視点もキートンの方に焦点をあてていると断言出来る。

 だから本筋を素直に見て評価しようとすると余り評判の良かった作品とは言えないかもしれないけれど、とにかくキートンの不屈の生命力に拍手喝采してしまうのがこの作品の正しい見方なのだ。

 特に途中アンディの息子との絡みの場面と、何よりもラストのカットで誰しもそのことに確信を持つことが出来るでしょう。

 この監督パーベット・シュローダーってそんなメジャーじゃないけど他にハードボイルドの傑作「死の接吻」とかも撮ってるオレ的に大好き系の監督さんナノダ。



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