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世界初のデータベース型科目連動オンラインシステムを開発。 続いて海外店システムを開発してニューヨーク支店に出張指導。世界に雄飛した昭和の銀行員の群像劇。 |
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著者 上杉幸彦 発行年 2023年 発行 花伝社 〒101-0065 東京都千代田区西神田2−5−11 Tel 03-3263-3813 46判並製 定価 2200円(消費税込み) |
本書に寄せられた感想等 |
すべての場面について、日時、関係者、言葉のやりとりなど、半世紀も前のことが詳細に記述されていることに驚きました。全体にわたり表現力が抜群で、特に山登り、スキーのシーンでは周囲の山なみ、天候の変化などが一幅の絵画を見るかのように眼前に広がるようでした。 ニューヨーク出張日記、出張前に会長に挨拶に出向いたり、出張先から絵葉書を出す、との下りは、歴史の歯車が逆転しているように思えましたが、面白くもありました。駐在員の方々が言語、文化、慣習の壁を乗り越えて、しっかりと現地ビジネスを遂行し、さらに現地の生活をエンジョイされているのは本当に感心しました。 |
『昭和の銀行員』第1巻(支店遍歴篇)で身に付けた銀行業務の知識と、コンピュータ時代を予感して自ら学んできた知識を基礎にして、システム開発に創造性を発揮していったことが見事に描かれています。上に媚びず、出世にも無頓着なある意味で”平凡”な働き方は、職場で信用できる人だと直感的に理解され、山やスキーなど、ともに楽しむ仲間を作っていくことができたのでしょう。出世ばかりを追い求める異常な上司がほとんど出てこないのが特徴ではないかと思いました。もっとも予告されている第3巻では、コンピュータ導入をめぐる利権?争いの時代に入って行くようですが。 IBM社の広報誌で、「世界初のIMSによる総合オンライン・システムがカット・オーバー」という見出しで紹介されたのはすごいことだと思いました。 |
私の知らない世界で主人公が苦闘されている様子がしのばれ、何ともいいようのないものが込み上げてきました。後半のニューヨーク出張日記、司馬遼太郎の「ニューヨーク散歩」を彷彿とさせるものがあり感慨を覚えました。 |