住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業
         ―住宅に係るもの―解説

  平成22年度 募集要項より     独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

エネルギー量
用途別削減
  暖房(冷房)
  給湯
  照明
  換気
  断熱
   

エネルギー計算

新築、増築及び改築の場合

(1) 標準エネルギー量について
            <表5 戸建て住宅の標準表示エネルギー量>(一次エネルギー量 単位MJ/年・世帯)

Ⅰa・Ⅰb地域 Ⅱ地域 Ⅲ地域 Ⅳa・Ⅳb地域 Ⅴ地域 Ⅵ地域
暖 房 66,190 44,963 34,469 18,711 12,381
冷 房 204 1,316 3,999 4,057 10,374
給 湯 14,913 17,962 18,071 16,892 13,770 10,187
照 明 10,867 10,867 10,867 10,867 10,867 10,867
その他 29,639 30,766 32,495 32,640 31,334 30,763
合 計 121,609 104,762 97,218 83,109 72,409 62,191
           延床面積125㎡の場合
           システム導入住宅の延床面積に換算して消費エネルギーとする
              例)Ⅳ地域 135㎡の場合
              暖房:18,711MJ×135㎡÷125㎡=
(a)20,208MJ/年・世帯
              以下冷房、給湯、照明、その他と、同様に計算します。
              新築住宅の場合の計算です。

(2) 用途ごとのエネルギー削減量の計算

     1) 暖房(冷房についても基本的に同じ)
        
① 暖房消費エネルギー量(MJ/年・世帯)の算出
              暖房:18,711MJ×135㎡÷125㎡=(a)20,208MJ/年・世帯
                
表5のⅣ地域の値×当該住宅の延べ床面積÷125㎡
             
          ②-2 (複数の機器を導入する場合)
             性能の異なる複数の機器を導入する場合は、導入する機器の居室の
             床面積で加重平均した効率を算出してください
             
性能?突然言われてもですよね!・・・・下記の計算値です。
             ヒートポンプ機器の一次エネルギー換算
             ※性能=COP×3600(KJ/Kwh)÷9760(KJ/Kwh)

             
※COP=エアコン能力(KW)÷消費電力(W)×1000
             ※ヒートポンプ機器の暖房COPについては、以下の気温のCOP値を用いてください。
                Ⅰa・Ⅰb地域(-1℃)、Ⅱ・Ⅲ地域(2℃)、Ⅳa・Ⅳb・Ⅴ地域(7℃)
             (ガス機器、石油機器については換算不要です)

               
  例)新設する機器①の効率2.016×設置するその居室面積25㎡=50.390
                         機器②の効率2.066×設置するその居室面積20㎡=41.311
                         機器③の効率2.286×設置するその居室面積10㎡=22.858
                3台設置ならその計算した総和114.560を居室面積の総和55㎡で割り算
                して平均効率を求める。=2.083
                          (小数点第4位を四捨五入)
                                        記入例へリンク
        
  ③ 比較効率
             「新築における空調機器の比較効率」<表6>を用います。
              <表6 新築における空調機器の比較効率>
Ⅰa・Ⅰb地域 Ⅱ地域 Ⅲ地域 Ⅳa・Ⅳb地域 Ⅴ地域 Ⅵ地域
暖房 0.8 1.095
冷房 0・985
               ※暖房の0.8は灯油機器の効率です。
               ※暖房の1.095は暖房COP2.97を一次エネルギーに換算した値
               ※冷房の0.985は冷房COP2.67を一次エネルギーに換算した値
          ④ エネルギー削減量計算
             暖房の消費エネルギー量を計算する
                
例)Ⅳb地域135㎥の新築の場合
                 表5より18711(MJ/年・世帯)×135㎡÷125㎡=(a)20208(MJ/年・世帯)
                                  (小数点第2位まで) (小数点以下四捨五入)

             新規高効率機器による暖房のエネルギー削減量計算
                
 ②で計算した平均効率2.083
                 20208(MJ/年・世帯)×(1-1.095(表6)÷2.083)=9585(MJ/年・世帯)
                                              (小数点以下四捨五入)
         
 ⑤ ヒートポンプを使った温水床暖房の場合の計算
             エアコンとエコキュートを併用した場合はどちらかのCOPの小さい数値で計算
               
 例)リビングにエアコンCOP5.5、エコキュートCOP4.9の場合
                効率は4.9×3600÷9760=1.807で申請書には同じリビングを2行併記する
      
2) 給湯
         
① 導入する機器の効率
            <表7  高効率給湯器のエネルギー係数>
              ・CO
冷媒HP給湯器のエネルギー係数
Ⅰa Ⅰb Ⅳa Ⅳb
APF3.0 1.291 1.200 1.128 1.099 1.083 1.021 0.980 0.814
APF3.1 1.224 1.138 1.072 1.046 1.031 0.974 0.937 0.795
APF3.2 1.164 1.082 1.021 0.998 0.984 0.932 0.898 0.778
APF3.3 1.109 1.032 0.974 0.954 0.941 0.893 0.862 0.761
APF3.4 1.059 0.986 0.932 0.913 0.902 0.857 0.829 0.745
APF3.5 1.014 0.944 0.893 0.876 0.865 0.824 0.798 0.730
APF3.6 0.972 0.905 0.857 0.842 0.832 0.794 0.769 0.715
APF3.7 0.934 0.870 0.824 0.810 0.801 0.765 0.742 0.701
            APF3.8以上の場合は、APF3.7のエルギー係数を使用して計算する
           ② 比較エネルギー係数
           <表8 新築における給湯機器の比較エネルギー計数>
Ⅰa Ⅰb Ⅳa Ⅳb
1.4 1.37 1.34 1.36 1.36 1.36 1.36 1.37
           ③ エネルギー削減量の計算
               給湯の場合は①と②の係数を使って削減率を計算します。
                  
例)Ⅳb地域135㎡の新築の場合でエコキュートAPF3.3を設置した場合
                  表5より16892(MJ/年世帯)×135㎡÷125㎡=18243(MJ/年世帯)


               新規高効率機器による給湯器のエネルギー削減量
                  表7よりエネルギー計数0.893 表8比較エネルギー係数1.36
                  18243(MJ/年世帯)×(1-0.893÷1.36)=6264(MJ/年世帯)

                                           (小数点以下四捨五入)
      3) 照明
           施工を伴うもので、かつ家全体の照明容量の1/5以上が補助対象になるもの。
               エネルギー消費効率(lm/W)
           家全体の照明の内訳を添付
               ※エネルギー消費効率の比較効率は、60lm/Wとします。
            
当該住宅の照明用エネルギー消費量
                   例)省エネ照明の内訳
                      90lm/Wの照明機器計 0.5KW
                      100lm/Wの照明機器計0.7KW
                      90lm/W未満の照明機器計0.8KW


                   例)Ⅳb地域の135㎡の新築の場合
                   表5より10867(MJ/年世帯)×135㎡÷125㎡=11736(MJ/年世帯)
             
エネルギー削減量
                   
例)11736(MJ)×0.5(KW)÷2(KW)×(1-60(lm/W)÷90(lm/W)
                     +11736(MJ)×0.7(KW)÷2(KW)×(1-60(lm/W)÷100(lm/W)
                     =1621(MJ)
       
       
4) 換気
          
熱交換率が65%以上の熱交換機については、「新築における熱交換換気の暖房
           エネルギーのみなし削減率表」<表9>を用いてもよい。
           ※計算の順序「断熱による削減」→「換気による削減」→空調機器による削減」で行う。

          <表9 新築における熱交換換気の暖房エネルギーみなし削減率表>
Ⅰa地域 Ⅰb地域 Ⅱ地域 Ⅲ地域 Ⅳa・Ⅳb地域
全館連続運転 26% 27% 24% 20% 18%
全居室連続運転 23% 19%
部分間欠運転(LDK) 19% 15% 14%
部分間欠運転(その他居室) 26% 18% 17%
               ※暖房エネルギーのみに使用

       5) 断熱強化
           SMASH等のソフトによるエネルギー計算により算出
最終確認はNEDOの「公募要項」を確認してください