毎度ミニスケ大作戦をご愛読ありがとうございます。
当コーナーも順調に回を重ねて第3回、早くも完成品ネタが尽きてしまいました(汗)。
というわけで今回は次回製作記の予告篇として1/76 3突キットの徹底比較(あら捜しともいふ)をお届けいたします。

ドイツ戦車の中でもタイガーと並ぶ人気アイテム3号突撃砲、今回のお題はG型対決ということで エアフィックスvs日東。
どちらもクセモノって感じで期待感が高まりますな。

エアは再販された新パッケージのもの。
日東は例によって20年前に買ってあったもの。現在はフジミブランドで販売されてます。

そのフジミのG型というのは不思議な存在でシリーズ中唯一、ワールドアーマーと スペシャルワールドアーマーの両方のシリーズにラインナップされてるのですね。
W.A.はポリ履帯でキューベルワーゲンがおまけに付いて定価500円、S.W.A.は連結履帯で定価800円 (いずれも2003,11,8現在)。
つーことはですよ、

ポリ履帯+キューベルワーゲン+300円=連結履帯


という等式が成り立つわけで どちらを選ぶかは人それぞれの価値観によりますが私の場合、迷わずW.A.の方を選びます。
同じ3突でもD型はS.W.A.しかないのにね。不思議だ。

それにしても日東のボックスの完成品、なんでジャーマングレーなんだろ・・・



この両者、表面処理からして全く対照的。
エアは滑り止めやらボルトやら過剰ともいえるくどさ。おまけに金型は傷だらけで平面はとろけたように波々。
対して日東は平滑な梨地面でボルト類は一切なし。モールドの彫りは浅くフェンダーの滑り止めも省略、 実にあっさりした表現。

エアの戦闘室前面のふくらみはコンクリート製の増加装甲を再現したものらしい。
装甲板の断面上にボルトがついてるのは変。



これが悪名高い幅広オジサンの仕事。
こんなに幅がちがう。



プロポーションに優れているエアですが問題になりそうなのが車体前面の解釈。
ピンクの線ではさまれた面の面積を見てください。
こんなにちがうんです。エアは狭すぎ、日東は広すぎ。
ちなみに基準としているのはアハトゥンクパンツァー第5集の図面を46%に縮小したものです。

戦闘室の高さはエアはほぼ正確、日東は高すぎ。



シャーシの比較。パースがついて分かりにくいのですが 第1転輪〜誘導輪の距離がほぼ等しいのでそこで合わせたところ。
エアはほぼ図面通り。
日東は接地輪の間隔が広く、第6転輪と誘導輪の間隔が狭い。
逆に起動輪〜第1転輪の間隔が広すぎ。
起動輪が出すぎなのはボックスの完成品写真を見ても明らかですね。

サスペンションはエアはそこそこ再現されている。
第1、第6転輪のショックアブソーバーは別部品で立体感あり。
誘導輪のキャタピラテンショナー、後部牽引ホールドも一体成形ながらそれなりに。
対して日東はショックアブソーバーはシャーシに一体成形でなぜか断面が四角。
テンショナー、牽引ホールドは思い切りよくオミットされてる。


マフラーのパーツです。
日東は日東スタンダードな出来ですがエアのこの形をどう評価していいものか・・・



転輪関係。
起動輪:エアはこれだけミョーにモールドがシャープだったりする。
日東は起動輪というより歯車のような感じ。歯の数が少ないがポリ履帯のピッチとは合っている。

誘導輪:どっちも似たようなでき。4号戦車のパイプ製誘導輪としてはぴったりでしょう。

接地輪:エアは・・・ノーコメント。(起動輪と同じキットのものと思えないんですけど)
日東は例によって円柱を組み合わせた味もそっけもないでき。
右端はジャンク部品にあったマッチボックス3号L型のもの。
センターハブのボルトも再現されてて一番できがいい。

エアはそのまま使うのはさすがにきびしいのでマッチを複製して使おうかと計画中。
径はどれもぴったり同じなので流用は問題ない。



日東の台形の防盾はエッジが丸まっているのでぴんぴんに修正したいところ。
エアのザウコップ型防盾はちょっとしまりのない格好でこれも要修正ポイント。
ベース板を下にして立てると日東は直立するがこれはエアのように斜めになるのが正解。

砲身はエアは細すぎのようですね。

さて、このネタを使ってどう料理するかってことですが・・・
いいとこ取りをして合体!てのがやりたくなるところですがそれじゃー面白くないですよね。
皆さんの期待(されてるのか?)に応えるべく、ただいま製作中です。
この続きは近日公開(え?)の製作記にて。

(2003,11)



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