戯言ばっかり書いてないで早く模型作れっつーの、てことで ようやく製作記の新作です。
日東とどちらを先にしようか迷ったのですが比較的楽そうなエアフィックスを作ることにしました。
刻印をみると1962製。古いキットもちゃんと再生産してくれるのはありがたいです。

タイガーの時は3台まとめてだったし早くアップしたかったしってことで要点だけ かいつまんでまとめたのですが今回は実際の製作ペースに合わせて私の模型の作り方を じっくりご紹介したいと思います。 (間をもたせるためってのが正直なところ・・・汗) 現時点では完成してないのですが途中で放置にならないようにがんばりますので よろしくお付き合いください。
作り始める前に資料とキットを見比べてどういう仕上げにしようかイメージを膨らませます。
模型づくりの中である意味一番楽しい時間ですね。

考証に対する私のスタンスは資料があれば参考にするし、なければ(連合軍関係はほとんど持ってない・・・) ないで箱絵や想像で作るといった感じであくまで自然体です。
今回は「アハトゥンクパンツァー 第5集」とアルゴノート社の 「ピクトリアル ドイツ突撃砲シリーズ」を参考にしました。
以下の文章でG型の初・中・後期の分類は「アハト」に拠っています。

エアのキットは各型の特徴が微妙に入り混じってるのですが中期型(ザウコップ防盾 の初期のタイプ)にするのが 一番楽なのでその線にそってどこに手を入れるか計画を立てます。
考証的に気になったのは以下の3点。

1、車体前面の増加装甲の取り付けボルト
ボルト止めの増加装甲から1枚板の溶接に変更されたのが43年5月、
ザウコップ防盾の採用が同年の11月なので時期的には重ならない。
2、車長用ハッチのヒンジ位置
キットでは右側にヒンジがある。
初・後期ではキューポラはベアリングにより 全周回転するのでどこでもいいが中期は後ろに固定となる。
3、戦闘室前面右側の増加装甲にボルトがない
これは後期の特徴、中期はボルト止めとなる。
なお、ちゃんとした後期型にするのは結構大変。
実際にはこんなに厳密ではなく、混合型もあったとは思いますが・・・
この他に起動輪の取り付けボルトがむき出しになってるのも後期の特徴ですが キャップを作るのも面倒だし、脱落したという解釈でそのままとします。

その他のチェックポイントについてはキットレビューを参照していただいて、 方針が決まったらいよいよ工作開始!

まず面倒くさい小物パーツから。
古いミニスケを作る場合、起動輪の修正はお約束みたいなもんでキャタピラとのかみ合わせ なんてロクに考慮されてないものも多いのですが、ここは戦車模型の基本なので しっかり調整したいところ。

右がキットのまま、左が修正後のもの。
スプロケットを台形に削って外周は表裏両側から面取りして先端をとがらせます。
キャタピラの穴ピッチがやや狭くかなり引張らないとはまらない。
まぁはまるだけラッキーですけどね。
誘導輪は気休めに外周を面取りしたりスポークをうすく削ったりしてみました。
少しはイメージがよくなったかと思います。
転輪はできのいいマッチボックスのを複製します。
この転輪、厚すぎるのが欠点で薄く整形する必要がありますが私はこういう場合、 所定の位置にプラペーパー(実際は0.5ミリプラ板を薄〜くそいだもの)を接着します。
これがちょうどなくなるまで削るわけです。
この方法だと手加工でもかなりの精度がだせます。
できたら「型想い」で型取りするためプラ板に接着、空気抜きのために リムに6箇所、周囲にも適当に穴を開けます。
鋳型はプラキャストを使用。
余分を削り落とすのが結構難儀でプラ板で冶具を作りました。
成型品をはめて面一になるようにカッター、ヤスリで削ります。
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砲身はキットのものは細すぎるので日東のキットから流用。
日東は榴弾砲とコンパチになってるので1本使っても大丈夫です。

マズルブレーキのエラを再現してみます。
前に作ったキングタイガーの余りパーツからブロックを切り出して接着。
プラ板よりも柔らかくて加工が楽なんです。
こんなモンかな〜。
ドイツ人は何でこんなに面倒な格好にしちゃうんでしょうねえ。
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防盾は長さが足りないことが判明。
先端にランナーのぶつ切りを接着してから各種パテで納得いくまで盛り削りを繰り返します。
こういう曲面形状は図面よりも写真を見ながらイメージ優先で作った方がいいようです。
もう一息か・・
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戦闘室の改造に入ります。
コンクリート盛りは削りとばしてプラ板をはります。
これはコンクリートよりも防盾左右の装甲板を直したいというのが主な理由。
このキット、プロポーションはいいんだけど防盾周りでだいぶ損してますね。

ボルト止めの増加装甲も削りとばします。
ここも計画位置にプラ板をはって目安に。
色がころころ変わるのはカメラのせいです。

装甲板を0.5ミリプラ板で再生します。
図面を参考にしつつ、現物合わせで型紙をつくり、 両面テープでプラ板に貼り付けて切り出します。
やはり図面とキットでは寸法が微妙に違うので現合が確実です。
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鋼板の合わせ目のエッジがよれよれでドイツ戦車らしいかっちり感がないので溶接跡を再現します。
これでよれよれをだいぶ誤魔化せるかと。

カッターで表面がささくれるように筋を入れて・・
ペンキ用のシンナーを流し、ニードルで 筋状の盛り上がりを整形。簡単でしょ!
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キューポラのディティールアップです。
紙に細切りにしたマスキングテープを米字形にはり、それをキューポラにはります。
これをガイドにしてカッターで切り込みを入れ、支柱部分を残し削りこみ。
ペリスコープを0.5ミリプラ板で再生。
この後ドーナツ形のプラ板を接着して一応完成。
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装甲板の断面上にボルトが付いているのは変なので削り落として内側に再生します。
今回はシャーペンの芯を使用。
くれぐれも根元から折ってしまわないように、刃物などは使わないで ペーパーで丁寧にやすって高さを合わせます。
機関室の通気孔カバーは一体成形なので下端をカッター、彫刻刀で彫り込み、浮いた感じに。
地味だぜ・・
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車体後部です。
牽引ホールドはせっかく再現されてるのですが形が悪いし、穴が大きいのでやむなく新造。
妙チクリンなマフラーはどうせ見えなくなるのでそのままです。
左右の整風板は0.3ミリプラ板から。
エキパイはいったん切り離して整風板の上から適当な位置に再接着。
横長の整風板は鍋焼きうどんのアルミ容器を使用。
曲げやすいしゴムマットを下にしてニードルでけがくとプレスのリブを簡単に再現できます。
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今回はここまで。
次回は本作の目玉工作の予定。はたしてうまくいきますやら。

(2003,11)



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