今回の隠れた目玉がこれ。
(言われないと気がつかないほどに・・・) グラント特有の「王」の字形の滑り止めがついた履帯を再現したかったのです。 これをやってる作例は見たことありませんからね。 しかしキットの履帯は例によっていかなる接着剤もうけつけない材質でどうにもなりません。 で、履帯と起動輪をフジミ(旧ニットー)のシャーマンとトレードすることにしました。 これならプラモ用接着剤で接着できます。 「王」の字パターンは型取りでやろうとも思ったのですが均一の厚さに仕上げるのに難儀しそうなので 0.5ミリプラ板から1個1個切り出すことにしました。 例によってプラ板で冶具を作りましたが、いかんせんモノが小さすぎてなかなか均一な形に切り出すのが難しい。 1個の大きさは約2x4ミリです。 小さい四角を切るための専用のノミを針金を研いで作りました。 刃の幅は0.8ミリ。 |
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起動輪は(同一キットの履帯をはかせるにも関わらずなぜか)横幅が広すぎるので接着面を削りこんで
狭め、真ん中に履帯を接着する糊しろになる1.2ミリプラ板の小片を接着します。 センターガイドの列を逃げておくのがポイント。 これ米国製戦車を作るときの裏技です。 ちなみにキットの起動輪を普通に組む場合は逆に幅が狭すぎるのでプラ板をはさんで広げてやりましょう。 (難儀なやっちゃ) a:分割式デフカバーの締結部はプラ板で高さを増し、ボルトを伸ばしランナーの輪切りで。 |
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履帯のハの字形滑り止めモールドを新品のカッターの刃でそぎ落とし王の字のプラ板を接着します。 全コマやるのはさすがに大変なのでサイドスカート等で隠れるところは大胆にオミットしました。 最低前6コマ、後ろ7コマあれば見える部分はカバーできます。 本来は接地部もやるべきでしょうけどジオラマにすれば見えないだろうと。 フジミの履帯はかなり短いのですが(トレードしたからではなく、もともと短い) 無理に引っ張ったりせず、これもスカートでごまかすことに。 テンションをかけすぎると耐久性の面で悪影響が出そうな気がします。 b:ライトはプラ材から、コードはステン線から、ライトガードは0.1mm銅板から自作。 |
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c:砲塔前面の装甲板はプラ板製ですが厚みがでないようにバルサの方を削りこんで
象嵌しています。 とめネジはエポキシパテと真鍮パイプで。 d:同軸機銃は0.5mm真鍮パイプで。 e:車体上面にペリスコープを追加。 これはグラント特有の装備。 |
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f:この辺は資料を見ながらごちゃごちゃといじってます。 解説になってない。 g:荷物掛けのバーは0.2mm透明プラ板で。 h:車体前後4箇所に牽引フックの基部を追加。 フック自体はめんどくさいので省略。 |
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色の濃いリベットは追加ないしやり直したところです。 i:アングル材をプラ板で再現。 薄いプラ板はタミヤの0.2mmかエバーグリーンの0.13mmの透明プラ板を使ってます。 ホントは白色がほしいところですけど。 j:側面ハッチのヒンジ、留め金はモールドが薄いのでプラ板で作り直し。 k:手すりをステン線で。 |
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l:車軸のボルトを追加。 サイドスカートは作り易さと差別化のためにハセガワ、ミラージュとは違うタイプにしてます。 |
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カッコいいぞ!(笑) 今回もなが〜い道のりでしたー。まだ塗装してないけど。 しかしこの戦車、幅は狭いし背は高いし左右非対称だしあまり見たことないバランス。 強そうには見えないなあ。 実際に「7人用棺桶」とか言われて兵からは人気がなかったらしい。 でも75mm砲を装備しているだけでも貴重な存在で贅沢は言えなかったんだね。 さてこのキット、砲塔がスカ、車体の合わせが悪いという欠点はあるものの車体のプロポーション が見事、モールドがシャープ、1/76の米国製戦車としては足回りが比較的マトモと見過ごせない美点も多々あり、 総合的にはエアの中では中程度といったところでしょうか。 今回は「マトモなグラントを作る」のがテーマだったのですが今や十分マトモなミラージュのキットがあるし、 エアの素朴な味わいが好きだという通の方は素直にリーにするのがいろんな意味で賢い選択だと思いますよ。 デカールも使えるしね。(しつこい) |