‘THE Mk.III’



ネットで拾った写真を合成して遊んでみました。
マッチボックスの付属ベースを使ったお手軽ビネット第2弾、3号戦車L型です。
戦車兵を乗せたいところですが、マッチは自分的に「素の味」を楽しみたいのでキット以外の要素はあまり加えていません。
肉や野菜がたっぷり入ったインスタントラーメンて美味しいんだけどなんか違う、せいぜい「刻みネギと海苔」くらいがちょうどいい。
そんな感じです(笑)

その代わりというわけではありませんが、今回は塗装で新しい試みをしています。
ちょっと前某掲示板で「ミニスケならではの表現とは何か」というテーマで激論が戦わされました。
スケールモデルの王道「リアリズム」の観点からすれば実物と同じことが1つの理想で、ディテールの再現では大スケールが有利なのは言うまでもありません。
小スケールになるほど妥協せざるを得なくなる。

しかし塗装はというと、実物と同じ色を模型に塗ってもリアルに見えないのは皆さんご存知の通り。
同じ理屈で1/35と同じようにミニスケを塗ってもダメで、そのスケールにマッチした塗装があるはず、 と最近考えていたので掲示板の議論をきっかけに本作で試してみたという次第です。

といっても別段すごい技があるというわけではなく、陰影をきつめに描きこんだだけですけどね。
1/35でもフィギュアなどは陰影をつけないと全く立体的に見えないのは誰でも経験的に知っています。
つまり物が小さくなればなるほど塗装で光と影を補ってやる必要があるわけで、要はフィギュアと同じように塗装したらいいのではないかと考えました。

下地はタミヤアクリルをエアブラシで吹きつけ。
今までは大雑把にブワっと吹いていましたが、最初から細吹きで暗色、標準、明色を画を描くように塗り分けます。
スミ入れは油彩を2〜3回しっかり流し込んで、半乾きを見計らって同じく油彩でドライブラシ。
少しずつ明るい色を何回も丁寧に乗せていきます。
時間はかかりますが、微妙なグラデーションは他の塗料ではちょっと再現できません。
あのダビンチの「モナリザ」も同じような技法で描かれているとか。
でもJPEG画像にしてしまうとグラデーションがきれいにでなくて悲しいんだけど・・

この方法がリアルかというとちょっと違う気もしますが、かなりオーバーな表現でも違和感なく見られる、というのもミニスケの懐の深いところと感じています。
今1/35の世界ではリアルな塗装法がさかんに研究されていて、私も出戻り当初はそれら作品の真似っこから始めました。
でもそれはあくまで1/35というスケールでの研究成果なんですよね。
ミニスケールの塗装法というと空気遠近法に基づく明るめの調色、という以外あまり語られたことがないような気がする。
それだけにまだまだ工夫の余地がありそうです。

(2006/5)



マッチボックス 3号戦車L型 製作記