マッチボックス 3号戦車L型 製作記



久々のミニスケール製作記はマッチボックスの3号戦車L型。
マッチボックス製品は最近ドイツレベルからぼちぼち再販されていますが、3号L型は レベルオリジナルのキットがあるので再販は難しいかも。

どっちかというと牛の骨で有名なこのキット、肝心の戦車の出来はと聞かれると、う〜んとうなってしまう。
レベルのがある以上、このキットをあえて選択する理由はナナロク派かマッチ好き以外の人にはあんまりなさそう。
素性はけして悪くないんだけどね。


まず車体関係。
車体上部に比べてシャーシの幅が1.6mmほど広く、先端の牽引ホールドとフェンダーの関係が おかしなことになっているので底面(パーツ1)を削って幅を揃える。

牽引ホールドは0.5mmプラ板で作り直し、フェンダーの先端形状も修正。

このままだと幅を狭くした分、転輪も内側に入ってカッチョ悪いので転輪の接着面に0.5mmプラ板を貼って補正してやります。

一番でたらめなのが車体後部。
本来マフラーがあるべきところに意味不明な円柱状のモールドがあるだけ。
目立たないところとはいえ、これはちと・・・

モールドを削りおとして穴を塞ぎ、マフラー、半球形カバー、整風板をプラ板、エポパテで自作。
整風板のリブは伸ばしランナーで。

整風板をつけるとマフラー本体は下から覗き込まない限り見えないので省略してもいいかも。

後部装甲板は角度、面積とも不満なのでプラ板で作り替え、尖頭ボルトとクランク差込口カバーを追加。

車体側面。
金型の抜き方向に対してアンダーカットになるクラッペ、アンテナ基部はあっさり省略されてしまっているので ここもプラ材で再生。

クラッペなどは他のキットのモールドから型取りする方法もありますが、私の場合探すよりも作ってしまった 方が手っ取り早いので、だいたい自作してしまいます。

細かいパーツを成形するときは持ち手を確保するのがポイントで、しっかり保持できれば相当細かい仕事も割りと楽にできます。
ランナーやプラ棒に少量の接着剤で接着したり、車体に接着してから成形したり。


砲塔関係。
後面が単一の円弧っぽくなっているので左右を削って平面をだし、真ん中はエポパテで盛り上げ 多角形な感じに。

成形したことによってゲペックカステンとの間に隙間ができてしまうので、砲塔にセロテープを貼って からエポパテを盛り、ムニュッと押し付けて硬化した後余分を削る。

ゲペックカステンはエポパテを盛って写真を見ながらいい形になるまで成形。

ピストルポートカバーをプラ材で追加。

砲塔前部で是非手を入れたいのがスペースドアーマー上面の穴開け。
このキットで1箇所だけ直していいと言われたら迷わずここでしょう。
目立ちますからね。

穴を開けると中が見えるので砲身基部と同軸機銃もそれなりに再現。

アーマー前面の穴3箇所がなぜか凸モールドになっているのでドリルと角ヤスリで開口してやります。


拡大画像
転輪の真ん中の溝は浅すぎて履帯のセンターガイドが収まらないので、当たるところだけでも溝を深くする。
履帯のたるみはピアノ線で押さえて再現。

砲塔の位置が若干前すぎるように感じたので1mmほど後ろにずらしました。


拡大画像
転輪がぶ厚いのも欠点。
修正するのは面倒くさすぎるけど予備転輪は我慢できないほど目立つのでこの2つだけ薄く削りこみました。


組んでみるとなかなかのプロポーション。
マッチボックスにしては珍しく設計ミスが目立つキットですが、日東みたいに全体的にくずれてる訳では ないので要所を押さえてやれば立派な出来になります。

ディティールアップも金属素材を多用するとシャープすぎてマッチ独特のもっさりしたモールドに合わない ので、プラ材中心でやってみました。(いつもそうだけど・・)
その方がレベルに対して「マッチボックスらしさ」を主張できるのではないかと。

(2006,4)


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