八方尾根から五竜岳、鹿島槍ヶ岳へ
(1977年9月)
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唐松岳より五竜岳(2008年9月撮影) |
五竜岳より鹿島槍ヶ岳(2008年9月撮影) |
八方尾根は素晴らしい展望台
9月21日(水) 前夜新宿発 → 白馬 タクシー → 黒菱山荘 リフト → 黒菱平 → 唐松山荘 → 五竜山荘
今年も連休を利用して山にいくことになった。4年間付き合ってくれたN嬢は結婚退社した。得がたい山仲間を失い、淋しい限りである。ならばとKさんが部下のY嬢、K嬢に声を掛けてくれたので、今年も華やかなパーティーになった。今回は、五竜と鹿島槍に行くことにした。独特の双耳峰を持つ鹿島槍は以前から登ってみたい山の一つであった。
前夜新宿を夜行で発ち、翌朝、白馬駅でタクシーに乗った。車は細野からうねうねと山を登り、スキーで何度も泊まった黒菱小屋に着いた。そこからリフトで黒菱平へ。リフトを使うことには内心忸怩たるものがあるが、今回は登山経験のない女性連れなので妥当な選択であろう。
スキーで縦横無尽に滑った斜面を思い出しつつ、ハイマツの中に切られた石畳の道をジグザグに登ってゆく。第1ケルンまでは見覚えがある。白馬3山がきれいに並んでいる。左手にはこれから登る五竜、鹿島槍が朝日に輝いている。なだらかな草原状の尾根を行くと、第2ケルンを過ぎ、右下に八方池を見ながら第3ケルンに着く。
ダケカンバやヒメコマツの混じる林を登って、丸山に出る。尾根が痩せてきて、露岩の道となる。国境稜線の鋭い岩峰が間近になってきた。ガレをトラバースして、岩場を登りきると縦走路に出た。剣、立山が目に飛び込んできた。ここで昼食。Kさんはうれしそうにワインのはいった水筒を取り出し、みんなに配る。筆者はキャンピングストーブに火を点け、紅茶をいれた。
女性陣も元気なので五竜小屋まで足を伸ばすことにする。森林限界を越えた高山帯は見通しがよい。大黒岳は富山側を捲いて、遠見尾根が合わさる地点を目標に、岩礫の道を登る。白岳を捲いて、遠見尾根からの道を合わせると、五竜山荘はすぐ近くだった。
日が落ちる頃、黒く沈んだ山並みのかなたに日本海が見えた。
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唐松小屋より五竜岳を望む |
五竜、鹿島槍を連登
9月22日(木) 五竜山荘 → 五竜岳 → キレット小屋 → 鹿島槍ヶ岳 → 冷池小屋
目の前に立ちはだかる五竜岳めがけて出発。傾斜のきつい岩稜を攀じ登り、1ピッチで五竜岳に到着。八峰キレットを挟んで、赤茶に染まった鹿島槍が双耳をそばだて待ち受けていた。カクネ里にほとんど垂直に落ち込む北壁に視線がくぎ付けになる。
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五竜岳より鹿島槍ヶ岳を望む |
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五竜岳より剣岳、日本海 |
五竜岳より遠見尾根、八方尾根 |
赤抜の悪場を慎重に通過。キレット小屋が痩せ尾根の上にへばりついている。いよいよ八峰キレットの難関にさしかかる。要所に鉄線が付いているので、女性陣も遅れずに付いてくる。
難関を突破し、さすがにほっとする。あとは鹿島槍へ登るだけ。ハイマツの中の急登。信州側はスパッと切れ落ちている。疲れた足を一歩一歩前に運んでいると、ついに双耳峰を結ぶ吊り尾根の鞍部に出た。雪渓が残っていたので、しばし休憩。南峰に登る。高曇りだった空にいつの間にか青空が広がっていた。山頂からの眺望は眩しいくらいだった。黒部の谷を隔てて、剣岳がゴツゴツした稜線を浮き立たせていた。
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鹿島槍ヶ岳山頂で休憩 |
五竜岳方面を振り返る |
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逆光の立山、剣岳 |
今回縦走の最高地点をクリアし、満足感に浸りながら冷池小屋に向かう。ガレ道をザクザク下って、布引岳を越えると、オオシラビソの樹林の中に小屋はあった。
爺ヶ岳をのんびり越えて、扇沢に下る
9月23日(金) 冷池小屋 → 種池山荘 → 扇沢 → 木崎湖
緩やかな道を爺ヶ岳に向かう。北峰、中峰、南峰に区切られた山頂を難なく通過。
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爺ヶ岳山頂で休憩 |
進路を大きく右に振り、なだらかな尾根を下る。種池小屋は草原の中にあった。花が咲く頃は素晴らしいところだろう。
針ノ木への縦走路に分かれを告げ、扇沢に向かう。潅木帯を下り始め、爺ヶ岳の山腹を捲く緩やかな道にはいり、支尾根に出たら後は真っ直ぐに下りる。ひょっこり扇沢の河原に飛び出すと、大町と扇沢を結ぶ観光道路は目の前だ。コンクリートの道路に出て、扇沢駅まで歩く。
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扇沢登山口に無事下山 |
時間があったので黒四ダムを見に行って、その日は木崎湖近くの民宿に泊まった。何と風呂は温泉だった。
五竜岳再訪、一日目
2008年9月上旬、TWVの岳友O君と唐松岳から五竜岳に登ることになった。
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八方尾根より白馬三山 |
帰らずの険 |
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唐松岳より唐松小屋 |
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夕景雲海の立山、剣岳 |
夕景雲海の剣岳 |
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日没の唐松岳 |
二日目
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遠望、朝焼け富士 |
噴煙たなびく朝焼けの浅間山 |
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五竜岳より立山を望む |
五竜岳より剣岳を望む |
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遠見尾根分岐より妙高、戸隠方面を望む |
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遠見尾根分岐より鹿島槍ヶ岳を望む |
遠見尾根分岐より五竜岳を望む |
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遠見尾根上部より鹿島槍ヶ岳を望む |
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