雨に降られて赤城山

(1985年9月)

 
黒檜山山頂
赤城山(黒檜山)山頂

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小雨の中、息子励まし何とか登る

9月15日(日) 自宅 4:40 → 9:00 大沼 9:30 → 9:53 登山口 → 10:35 主尾根 → 11:40 黒桧山 12:10 → 13:30 大沼 14:00 → 18:05 自宅
 赤城山は上越方面にスキーに行くときよく目にする山だった。関越道を一時間ほど走ると関東平野を囲む山々が迫ってくる。その中で特に目立つのは赤城山だった。悠々と裾を拡げる連峰は周囲の山と劃然と独立し空に浮かんでいるようだった。その山並みの長さは八ヶ岳連峰に似ていた。苗場でスキーをした帰りに国道17号線の渋滞を避けて沼田から赤城山の麓に付けられた広域農道にはいり、高原野菜の農場やらゴルフ場が点在する山麓の広大さを実感しながら車を走らせていた。その眺めているだけだった赤城山に小学校4年の長男を連れて登ることにした。
 4時に長男を起こし、車に乗せ、妻に見送られて出発した。あいにくの曇りで前橋に近づいても赤城山を見ることはできなかった。前橋ICで高速道を下り、市街地を少し走って赤木有料道路にはいった。天気が良くないせいか車は少ない。舗装された有料道路を結構なスピードで飛ばし大沼湖畔に出た。冬は凍結しワカサギ釣りで有名なところである。湖畔を山の方に進んでいくと旅館や土産屋が集まっている大洞地区に駐車場があったので車を駐めた。外は寒そうなので車内で妻が用意してくれた弁当で腹ごしらえをした。
 登山靴に履き替えいざ出発。湖畔の道路を歩いて駒ヶ岳の登山口を探すがなかなか見つからない。あきらめてリフトがあった地蔵岳に登ろうかと引き返すと駐車場より先にひっそりと「黒桧山登山口」の導標があった。赤木連山の最高峰黒桧山への道を見つけてほっとした。登山口を探すのに20分もロスしてしまった。
 気を取り直して樹林帯の細い道を登り始めた。結構急な斜面で息子が音を上げないか心配したがちゃんと付いてくる。40分歩くと尾根に出た。そこから北に向かう稜線上の道はクマザサに覆われていた。前夜の雨で濡れたクマザサを掻き分けて進んでいくと腰から下がびっしょり濡れてくる。おまけに小雨が降ってきた。靴の中に水が侵入してくる。途中で子ども1人、大人3人のパーティーを追い越した。緩やかな尾根をどんどん登ってゆくと道ばたに駒ヶ岳の標識があった。樹林と霧に囲まれ眺望は効かない。ちょっと拍子抜けするような山頂だった。
 駒ヶ岳から高度差4〜50メートル下って黒桧山の登りにかかった。雨が少し強くなってきて長男は寒そうにしている。長男の雨具は用意してこなかったので私の雨具を着せた。大きすぎてぶかぶかだが仕方がない。私は折りたたみ傘で十分だ。長男は雨と寒さで意気阻喪しもう帰りたいといいだした。もう少しで頂上だからと長男をなだめ山頂に向かった。最後は少し急な登りだったが2時間弱で黒桧山に着いた。
 山頂は所々に灌木もあるが意外に明るく広かった。晴れていれば眺望が素晴らしいのだろうが相変わらず雲の中にいるのですぐ下にある大沼も見えない。石柱が沢山建っている。小さな祠もあった。古くから地元で信仰されている山なのだろう。バーナーで湯を沸かしカップヌードルを作ってやると長男は元気を取り戻した。反対側から男3人と熟年夫婦が相次いで登ってきた。食事を終える頃、先ほど追い越した子ども連れのパーティーがやってきた。長居をしてもしょうがないので早々に下山した。長男も機嫌を直して先に立って下りてゆく。運動靴は濡れていたので、次に山に行くときは雨具とキャラバンシューズを買ってやろうと思った。
 
黒檜山山頂にて 黒檜山休憩
黒檜山山頂、ぶかぶかの雨具で 黒檜山山頂で休憩
 
駒ヶ岳
赤城山(駒ヶ岳)山頂
 

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