ヤクトタイガーです。 車体の延長も実車同様に再現された好感のもてるキットですがそこは旧ニットー、 全く問題なしというわけにはいきません。

前方機銃は位置が低すぎるので削り落としておわんをプラ板で新造します。
こういう小さい部品の工作は持ち手をつけるのがポイントです。
大まかに円形に切りだした後5ミリプラ棒の先端に接着してこれを持ち手にして ヤスリ、サンドペーパーで気の済むまで丸く仕上げてからプラ棒を切り離します。
車体に接着後角穴を開口、車体の該当箇所には予め穴を開けておきます。

戦闘室背面は倒れすぎてるようなので楔形のスペーサーをかませて起こしてやります。



大問題なのがこの防盾。穴がずれてるよって・・・なんでかな〜

最初穴だけ直そうと思ってたんですがなんか実感がない、寸法をあたってみたらやはり細すぎるようですね。
基準になる部分にプラ板を巻いてやって間を各種パテで埋めます。



転輪のセンターハブもなんとかしたいところ。
ミニスケサイトで知った「型想い」なるもので型どりに挑戦。最近は便利なものが出てますね!
原型は直径2.5ミリ、視力の限界です。来年はもうムリかも(しゃれになんないよ・・)
カットする面を段差にしておくと後で楽です。
空気が逃げる孔をあけておくのが型どりのコツみたいです。

3台分で54個(ふ〜・・・)。ものが小さすぎてなかなかうまく転写してくれないんですが どうせ汚しをするのでまあいいかと。

プラ棒で冶具を作ってシャフトを一定高さに切りそろえます。



沈頭ボルトを再現してみます。
ドリルで穴を掘って(貫通させないのがポイント)エポキシパテをつめて半硬化時に真鍮パイプを軽く 押し付けます。
写真はこの状態。深く押し付けすぎるとパテがパイプの中に残ってしまうので注意です。
この後完全硬化後に盛り上がった部分をカット。
力の加減で丸頭のボルトも再現できるのでいろいろ応用できそうです。

ベンチレーターカバーはプラ板で。



工作がほぼ終わった状態(長かった・・・)。これも後期仕様にしてます。
フロントフェンダーは補強リブつきのタイプを再現。
トラベルクランプは輪っかはキットパーツを削り込んで、他はプラ材から自作。
ヒンジ部のU字型のパーツは最初0.5ミリプラ板を線香の熱で曲げればできるかな? と思ったんですけど全然できなかったので1ミリプラ板から削りだし。

砲口は親切にも別部品になってるのですが抜きテーパーのために先が細くなってるのでランナー から自作しました。

戦闘室上面の3つのペリスコープガードはΩ型のねじ止めタイプでちょっと面倒。
飲料のスチール缶を開いたものを材料にプラ板で簡単な冶具を作って曲げました。



塗装前にもう一仕事。戦闘室前面と防盾にパテで荒れた鋳造肌を再現します。

この続きは完成写真を見ていただくとして・・・
あ゛〜やっとできた!3台同時って確かに効率的なんだけど間違いも3台同時にやってしまうという 弊害があるし、何より精神的にきつかった。
同時に作るなら全く別ものにして気分転換を図るのが正解でしょうね。
でも逆に逃げ場がないから完成できたのか?

さて今回の旧日東タイガーII3兄弟、プロポーションがイマイチだったりキャタピラ幅が狭かったり といろいろ問題はあるのですが76の新規開発の可能性が事実上0の現状にあっては貴重なキットといえましょう。
モールドやディティールはしっかりしてるのでプロポーションに手を入れて決定版を製作するのも 中級モデラーならそれほど難しくないでしょう。
キングタイガーは大好きな戦車なので今回やり切れなかったところをいつかじっくり取り組んでみたいですね。
ってすでにポルシェ型のキットキープしてたり・・・凝りねー奴。

ではまた次回。

(2003,9)



キングタイガー ヘンシェル篇


キングタイガー ポルシェ篇


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