ポルシェ型です。大きな問題はありませんが気になるのが装填手用ハッチ。
ヘンシェル型と共通部品になってますが周囲に段のついたタイプが正しいようです。
カッターで段を掘り込んで(チト幅が広すぎた・・)ヒンジはプラ板で。

比較的後期のタイプとしたかったので砲塔リングガードをプラ板にて自作。 後ろのプラ板は防護網の冶具です。

妨盾はチト痩せ気味なのでパテで修正。
砲身基部は抜きテーパーのために円錐形になってるので後ろを削り込んでストレートな円柱にします。
セロテープを巻きつけてこれをガイドにしてデバイダの針でスジを堀ります。
妨盾は戦車の顔ともいえ、完成品の印象を結構左右するので手を抜けません。




ポルシェ型といえばツィメリットコーティングは避けて通れません。
コーティングブレードを使用するのが一般的ですがブレード持ってないしうまくできそうな気がしなかったのでパス。
タミヤパテを使って最初プラ版で練習。そこそこにできたので本番いこうとしたら全然うまくできなくて。
結局削り落としてしまいました。
で、古いHJ誌に載ってた方法を試してみたら予想以上にうまくいって大成功!もうコーティングは怖くない?

発想としてはプラ自体を溶かしてしまうというもの。
塗料の空き瓶に接着剤とランナーを小さく刻んだものを入れ、ペースト状になるまでしばらく放置します。
次に「との粉」を入れ、最後にペンキ用シンナーで濃度を調整してオリジナルコーティングパテの出来上がり。
「との粉」はたまたま持ってたから使ったまでで小麦粉とかでも代用できると思います(黴るかもしれませんが)。
分量も適当でOKです。

このパテを1回に刻む分だけ塗布して精密ドライバーでパターンを刻んでいきます。
コツは特にありませんが強いていえば厚く塗りすぎないということでしょうか。
作例では1.2ミリのドライバーを使いましたがちょっと細かすぎたかもしれません。
いっこいっこ刻んでいくのは面倒ですがブレードでは出せない味わいがあると思うのですがいかがでしょうか。
上から接着剤が効くというのも大きなポイントです。

昔の模型誌はいろんな工夫が紹介されてて面白かったですね。
今はあらゆるもの(コーティングパターンまでも)がアフターマーケットで販売されており、
自分で考えながら作る楽しさが失われつつあるように思います。
当コーナーはそんな傾向へのささやかな抵抗として私SHOZOがいろんな工作に トライしてその成果をレポートする場にしていきたいと思ってますので応援よろしくお願いします。
おっと横道にそれてしまいましたが このコーティングパテ、突き出しピン痕の処理やフィギュアの改造にも重宝なので我が家の常備品になってます。



大型の防護網はポルシェ型の特徴なのでこれの再現に挑戦してみます。
材料は銅メッシュの一番細かいやつ。

まず完成形よりメッシュの厚み分小さい冶具をプラ板で作ります。
冶具の精度で完成品の精度がきまるので面倒でもリングガードの円錐面にぴったりフィットするように 慎重にすり合わせます。
これをもとに曲げやカットをするわけですが薄くて曲げには適さないので曲げ専用 の冶具をもう一個作ります。
これらの冶具は完全に同一断面である必要があるので大きな1ピースから分割して作ります。
曲げ、カットの工作は基本的に冶具とメッシュを両面テープでとめて行いますが メッシュはとても曲がりやすいので剥がす時はMr.うすめ液をたらして粘着を弱くして慎重に剥がします。

前枠は食品のアルミ容器、コンビニで売ってる鍋焼きうどんの類を使用。
アルミ箔とアルミ板の中間の厚さで使いやすいものです。



塗装前の状態。ありがちなライターとの大きさ比較写真です。
キャタピラの幅が狭くてちょっと迫力不足。これも次回なんとかしたいところ。

前照灯のスリットは凸モールドになってるので大きめに穴を掘り、先のコーティングパテ をつめ半硬化時にマイナスドライバーで穴を穿ち、完全硬化後に整形します。
写真ではよく分かりませんが砲塔前面の目と眉毛も再現、同軸機銃は0.5ミリ真鍮パイプで。



ようやく塗装です。
迷彩パターンが複雑なときはまずうすい色を筆塗りしてあたりをつけておきます。
あたりをつけるだけなので塗り残しがあっても全くかまいません。
あまり薄めすぎると塗料が毛細管現象であらぬ方向に流れるので基本色を混ぜて 濃度を調整します。
パターンが納得いったら明るい色から順に境界をぼかすようにエアブラシしていきます。



フィギュアは出来のいいプライザーを使用。(でも1体あたり約100円ととっても高いのです・・・)
接着剤が効くし材質が柔らかいのでザクザク切って簡単にポーズ変えができます。
真鍮線や伸ばしランナーで補強し、隙間はコーティングパテを適量盛り付けてシンナーを含ませた 面相筆、爪楊枝、ピンセットなどで形をつけていきます。

車両に乗せる場合はフィット感がだいじです。
接触部分を大きめにえぐってコーティングパテを盛り付け、べとつかない程度に乾いたらさらに「との粉」を まぶして車両にセットします。
完全硬化後、整形して出来上がり。



キングタイガー ヘンシェル篇


ヤクトタイガー篇


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