2000年5月を振り返る

〜プロになれないんだろうか?〜

恐怖の大王との格闘

さて,ヤマトの航海状況ですが…一応太陽系は脱出したようです。6/3に解説書が出るようですが,それに頼らずどこまでいけるやら。仕事がきつくて,ゲームに回す体力と睡眠時間が残っていないので,あんまり進んでいません。

社内発表

何がきつかったのかというと…初めての社内プレゼンテーションが回ってきたのです。普段の仕事で情けないところが多い分,ここくらいはびしっと決めて,示しを付けてやるんだ!,とリキを入れて臨んだ甲斐があって,無事役目を果たせました。

今までの学生時代の発表は,背景を知っているひとに対して,自分の研究のどこが新しいのかを伝えればよかったんですが…会社では,背景を知らないひとに対して,自分のテーマの狙いどころが正しい(ぼくの部署では,先々儲かる=正しい,としてよいでしょう)ことを理解してもらった上でないと,自分の仕事を説明することはできません。それがわからなかったので,先輩にはかなりお世話になりました。

続・童謡

やっとこさ,20枚組童謡レコードの半分をMDに移し終えました。レコード用の液体クリーナを使って拭いてからかけると,意外と音飛びがしません。これはいけるぞ。

ときどき職場で童謡を口ずさんでしまうことが増えてきました。誰かに聞かれたらどうするんだろう…。(^^;) 「カレーライスのうた」を歌っていた日の夜,寮の夕食がカレーライスだったりしたこともありました。…管理人さん,聞いていたのか!?(笑)

あるタクシードライバー

先日,母の実家から祖母とおば,いとこが上京し,ぼくの実家にやってきました。祖母はもう80代後半ですので,不謹慎かもしれませんが,もう次はないかも知れない年齢です。ですので,ぼくも実家へかけつけました。夕食だけ一緒に食べて,寮に帰るという強行軍でした。

その日,ぼくは夕方まで合唱の練習をしていました。手にはMIDIキーボード。夕方,バスを待つ時間も惜しいので,駅前からタクシーで実家へ。

すると,ドライバーの方が,「それは鍵盤ですね…なんか小さいけど,電子式?」と。「ええ,パソコン対応のやつです。」「パソコン…何ができるの?」「パソコンにつなぐと,オルゴールをつくるように演奏を記録したり,オルゴールを鳴らすように演奏を再生できるんです」…ここからしばらく,話が続きました。

何でドライバー氏が鍵盤から話に入ったか…それは氏の半生のためでした。氏は音大卒で声楽専攻,イタリアに長期滞在して修業するも,家族を養うために歌を断念,事業を興し…5年前にその事業が傾き,今ではドライバーだ,と言いました。

自分にも,声楽などの音楽を修めて,プロを目指し活動している知り合いが何人かいます。彼らのことを頭に浮かべながら話をききました。ドライバー氏,歌手を断念したとき,

「これでもう歌わなくていいんだ」

と,肩の荷が下りた,とおっしゃっていました。

ぼくは,歌に関してはアマチュアです。歌うのが辛い,って思ったことは何度もありますが,それは自分に対して納得がいかないとか,あくまで自分の達成欲に対しての行き詰まりです。けれど,プロは違います。自分が生活するため,家族を養うために歌うんですから…。

いま,自分が会社でやっている研究や実験に対して,何か漠然と悩むことが多いんです…これは,自分がまだ自分の達成欲に対してしか悩んでいない,ということなのかもしれません。まだアマチュア根性が抜けていないんでしょう。プロなら,悩みの種は何か,狙いを定めて仕事をせねばなりません。それができないから,漠然と悩む。

ぼくも化学ではプロにならなきゃいけません。いや,もう既にプロになっていることを求められて会社に迎えられたはずなのです。だから,正直言って,ぼくは上司や周囲の期待を裏切っています。事実,上からの評価も低いらしいです。

いまは,結果を示せる日が来るのを信じて,自分に厳しくやるしかないんでしょうね。

…けど,辛いです。辛くて当たり前ですね。それで飯喰ってんだから。

「社会人生活は戦いじゃなくてコミュニケーションなんだよ」と教えてくれた方がいらっしゃいます。…すみません。今のぼくには戦うしかなさそうです。