嗚呼,華の大障害(2)

まさに「大障害」

レースの過酷さは,これだけではありません。障害物のうち,8の字のたすきにかかっているもの(さっきの7番・8番)は,年に2回しか使われないだけあって,非常にハードです。実物大の障害を見てみると…。

大竹柵
大竹柵

大生け垣
大生け垣

どちらも高さ1.6m。幅も,他の障害物より広くなっています。体重約500kgのサラブレッドが,疾走しながらこんなえらいもんを飛び越える…雨は冷たいけれど,胸が鳴ります。

大竹柵からスタンドへ
コース内の大竹柵。向こうに見えるのがスタンド。

つわものどもの入場

雨の中,待つこと数十分。15時20分ごろ…。競馬場に,つわものどもの入場を知らせるマーチが鳴り響きます。平地競走ではおなじみのレース格付け。GI,って言葉は,競馬ファンならずともたまに耳にすることでしょう。障害競走も,1999年からレースが格付けされ,この中山グランドジャンプはもちろん最高峰のGIです。入場曲ファンファーレも,レースの格ごとに違うのですが,今回はGI用の曲が流れます。それまでは,格のない重賞だったので,平地GII,GIII用の曲が流れていました。平地のGIのときは,歓声がものすごくて,場内に流れる入場曲なんて聞えたもんじゃないんですが,そこは障害競走。悲しいかな,入場曲がものすごく良く聞えます。

入場してきた競走馬たちは,騎手の指示によって,思い思いにコースを見て回ります。やはり,ほとんどの馬たちが大障害を見に来ます。

大障害を下見する馬
ここが正念場の大障害。

コース脇には,担架が用意されています。障害競走には落馬が付き物。平地競走以上に危険な競走です。

担架
下の白いものが担架。向こうの国旗は,国際競走のしるし。国旗下には,報道陣。



用語
重賞
競馬の競走をレースの格や賞金でランクわけした場合,一般競走(レースの名前や特別賞金がない)と特別競走(レースの名前や特別賞金がある)とにわけられます。特別競走のうち,とりわけレースの格と賞金を高く設定している競走を重賞競走といいます。ランクの高い順から,GI(グレードワン,ジーワン),GII,GIIIまであります。
入場曲
競走馬が,レースコースに入場してくるときに流されます。競走のランクごとに,関東・東北の競馬場と関西・中部・九州・北海道の競馬場用に,それぞれ2組作曲されています。関東・東北の競馬場用の曲(すぎやまこういち作曲)は,CD化されています。
ファンファーレ
発走直前にならされるやつです。関東平地GI用,関西平地GI用のは,携帯電話の着信メロディーの定番になっていますね。関東,関西,中部・九州,東北,北海道の5組がレースの格ごとに作曲され,地区ごとにそれぞれ違う作曲家が起用されています。後に,障害競走用の2曲(GI用,GII以下用)と,宝塚記念競走専用の曲が公募され,加わりました。平地競走用の曲は,すべてさきほどのCDで聴けます。